通算4アンダー 140ストローク
大塚覚(鹿児島国際)逆転で初優勝
競技は10日、熊本県菊池市のくまもと中央カントリークラブ(7193㍎、パー72)で最終日の決勝ラウンドが行われ、この日67で回った48歳の大塚覚(鹿児島国際)が通算4アンダー、140とし、初優勝を飾った。
大塚は首位に6打差の8位タイで迎えた最終日。出だしの1番でいきなりバーディーを奪ってリズムに乗り、計7バーディー、2ボギーの67でホールアウト。初日、松村康博(湯の浦、45歳)とともに首位タイと3連覇に向けて順調なスタートだった荒川英二(福岡雷山、42歳)は17番まで、後続に1打差をつけて首位を維持していたが、最終18番(パー4)でダブルボギーをたたいて後退、3年連続優勝は成らなかった。(写真㊨は初タイトルを獲得し笑顔でカップを掲げる大塚覚)
気温30度超 真夏日の戦い
競技には127選手(欠場6人)が出場。台風24号の接近で心配されたものの、無事に日程を消化した。
そんな中、9日の初日は5アンダーで回った荒川と松村が後続に4打差をつけて首位に立った。86人が決勝ラウンドに進出した最終日は、気温が30度を超す真夏日という異常な暑さの中での戦い。荒川は2番OBでダブルボギーとしたものの、その後は3バーディー(1ボギー)でばん回。そのまま逃げ切るかと思われたが、最終18番(パー4)で第1打を右の林に入れるトラブルでダブルボギー、逆転を許して1打差の2位に終わった。松村は前半、4ボギーと崩れ、この日2アンダー、70で回った日高雅司(宮崎国際、36歳)とともに通算1アンダー、143で3位タイだった。
最終日のコンディションは晴れ、気温30.5度、西南西の風3m(正午現在)。
(写真㊧は、3連覇ならず2位に終わった荒川英二)
11人が太宰府GCでの日本ミッドアマ出場権獲得
この試合の結果、4オーバー、148、9位までの10人と、5オーバー、11位タイの4人のうちマッチングスコアカードで選抜された1人の計11人が11月20~22日、福岡県太宰府市の太宰府ゴルフ倶楽部で行われる第18回日本ミッドアマチュア選手権競技への出場権を得た。
〝遅咲き〟の48歳初タイトル
台風一過。晴れてスピードを増したグリーンに、難しいピンの位置。スコアが伸びない中で驚異的な5アンダーで回り、通算4アンダーとしてトップに躍り出た大塚覚(さとる)。アテストを終えたところを捕まえて話を聞いても、「まだまだ後ろの組がいるから…」とあくまでも控えめだった。
その後ろの組には最終組に荒川英二がいた。荒川は過去2年連続優勝。今大会も初日から5アンダーをマークして首位タイと好発進しており、大塚に取材している時点でも通算5アンダーを維持という状況は変わらなかった。そのまま1打差で荒川の逃げ切りかと思われた。
しかし、ゴルフはホールアウトするまで何が起こるかわからない。最終18番(パー4)で荒川は第1打を右に吹かし、木の間に。9番アイアンでのアプローチは前方の木の枝に触れ、再び樹間に落ち、第3打は転がしてグリーン花道に運ぶのが精いっぱいだった。〝寄せワン〟のボギーでプレーオフ。しかし、アプローチはピン上3m。最後のホールでミスが続いた荒川は万事休した。
多くのゴルフ仲間に祝福を受けてやっと表情を崩した大塚。改めてラウンドを振り返ってもらったら、「アイアンが狙ったとこに打てたし、うまく安全運転でいけたかなと思う」と言った。加えて、初日はしっくりこなかったパッティングが、この日は「少しゆっくりストロークしたのがよかった」。1番で2mの下りスライスラインをねじ込んで、「結果的にあれでリズムに乗れた」と大塚だ。終わってみれば7バーディーというチャージだった。
鹿児島で金属関係の製造業を営む技術者。30歳のころ、取引先に勧められてクラブを握ったのが始まりだった。競技は九州アマなどに出場していたが、目立った成績は残していなかった。九州ミッドアマは昨年、初出場で6位タイに入り、日本選手権にもコマを進めたが、予選落ち。それが今回、突然開花してのビッグタイトルだったのだ。
実は大塚は今年、ぶっつけ本番での九州ミッドアマだった。東京国体の成人男子の部に鹿児島県代表で出場。日程が取れず、前日の熊本入りで練習ラウンドをこなすつもりだったが、台風接近で中止。「目標は日本ミッドの出場権。(来年のシード権が取れる)5位以内に入ればいいかなと思っていた」そうだ。
その日本ミッドアマは今年、太宰府GCが舞台。「九州で行われるし、何としても出たかった」と言い、この日のゴルフと同様、無欲で挑むつもりだ。 (M.Kikutake)
勝利目前で自滅し2位の荒川英二 18番は風が右目から吹いてはいたけど、プッシュアウト気味に出ていった。第2打は9番アイアンで木を越えられるはずだったが、トップしてしまった。この悔しさは日本選手権で晴らしたい。